可笑しさ、じわじわ大さじ5

つつじ, 238×168, 水彩

いつもの癖で
訪れた新国立美術館の建物を
写真に撮っていた

前回来たのは2019年のクリムト

そうそう、あの時も
妹と一緒に来たんだった

その妹に呼ばれて振り向くと
にこにこと、ちょんちょんと指さすそこには
白い花が一面に咲いていた


おお・・!


真っ白なヒラヒラが・・いや、落ち着いて

白い花びらがヒラヒラと、そして

日向の白が飛んで・・はいはい落ち着いて

日向では、花びらが太陽の光を返して
白をチラチラとまき散らしている


圧巻!


・・この花は

花の名前はだいたい知らないので
後から調べたらツツジさん

あぁ、お名前は存じ上げております


用事を済ませたら絵でも観にいこう
行き先を妹に任せるとマチスかな、という

3月末日、しかも日曜の美術館
かなりの混雑を予想していたけど
それほどでもない

人はいるがタイミングをずらせば
鑑賞に十分な距離が取れる

なんだかマチスっぽい


初期の静物画から
シニャックを思わせるような点描画
絵から抜け出してきたような彫刻、
彫刻もやったのか!

展示を進むと
しだいに色とフォルムが整理されて
余白、空間が生まれ
それも要素として合わさって・・


マチスって、ゆとりあるわー


いいなぁ
わたしもまとまりたい



ゆっくり観て回っても
帰りの飛行機まで時間があったので
場所を移せば小展も観れるよ、と提案するも

まぁ、これでいいかな~
そういえば、ここの地下のミュージアムショップ
良かったよね

あぁ、クリムトの時もだいぶ見たね

じゃぁ、ここのカフェで軽く食べて
ショップでお土産を買おうかな


せっかく機会なので
いろいろ観せたいなと思いつつ
前日までの用事をこなしたわたしたち
この時間はまさにクールダウン

それもま、いいね


サンドイッチを食べながら
マチスの感想から甥たちの様子まで
思いつくまま話をする


少し前なら時間の限り攻めていたけど
詰め込みの峠をこえたのか
妹のゆとりに年月を感じた

えぇ、わたしも含め




早めに羽田空港に着き
お土産を買って保安検査をくぐる

案内サインを見ながら歩いていると
札幌行きの搭乗口を見つけた

あ、あっちだわ、じゃーね~!

爽やかに、えっ?っという間に立ち去る妹


ねーちゃん、気を付けてね~くらい、
言いたかったよ・・


反応できなかった姉の胸中
さみしさ、小さじ1
可笑しさ、じわじわ大さじ5



さぁ、沖縄にかえろう


絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。