濃くて、苦い

珈琲, 220×273, 水彩紙, 水彩絵具



目の前に置かれた
珈琲カップ

たぶん店主はお待たせしましたとか
一言、添えてくれたはず


見入ってしまう


手仕事が見えそうなカップで
珈琲を飲むなんて
すごく久しぶりな気がする


写真を撮っていいですかと聞くと
もちろん、どうぞ
と、いうようなことを
言ってくれたような


角度を変えて3枚、撮ってから
いただきます、と一口



わぁ



全部が一度、止まって






ここしばらくのわたしの脳内の状況ですが
3名のわたしに久しぶりに起きてもらって
みんなでアレヤコレヤの検討会議を
開いているところです

お伝えしているカレンダー
予定している個展のこと
などなど


いやーこんな感じ、久しぶりだねー

考えることがいっぱいなヤツね

懐かしささえ感じるわ・・

あさイチでTODOリスト書いてから
動いたりね

あの忙しさも良かったかもね
いま、なんとかできそうな気がするもんね

とにかくここまで来たからね!

良いものにしましょうよ!

ということはですよ?
アレはソレで

まてまて

ぴとーつ、ぴとつ


わちゃわちゃしながら
こなしているところです



そんなつい先日のこと


珈琲屋さんの前を通ると
ガラス張りのその向こうになんと
空いた席があるではありませんか


なかなかの人気店で
これまで何度も空席の期待をこめて
その道を通るのですが
最近はいつもいっぱいで

この日もさして期待せず覗いてみると

空いた席が





びっくりしたまま
通り過ぎる

空いてるの?

うわぁ
よ、用事を済ませなければ!


済ませても来ても空いているならば
入ってもいいはず!
(全然いいはず)


サクッと済ませて再び通ると
空いているではありませんか


おお・・
機は熟した


こんにちは・・と、お店に入る

いいですか?

頷きながら
食事は売り切れ、パンはありますがと
店主が言った

大丈夫です、お茶したかったのでと
答える


店内には二人連れと一人客
空いているのは入口と、一番奥のテーブル席

奥に惹かれつつもなんとなく
入口に近いテーブルにつく

メニューを見る

濃くて苦めの珈琲をお願いした


いつもは向うから見ていた通りを眺めると
通る人がチラリとこちらをみる

そうそう
わたしもそんなだったはず


眺めながら
また3名に来てもらって
必要項目を浮かべる

浮かんだら優先順位をつける

ひとりが、コレ確認したら?ネットとかで、という

もうひとりが、順番を繰り上げる

3人目が、気付いてよかったね、と
いったところで


珈琲カップが目の前に置かれた


たぶん店主はお待たせしましたとか
一言、添えてくれた、はず


手仕事が見えそうなカップで
珈琲を飲むなんて

すごく久しぶりだ、と思う


じいっと見入ってしまう


写真OKをもらって
角度を変えて3枚撮ってから

いただきます


わぁ


濃くて、苦い



しっかり濃くて苦い
一番好きな味だった



わぉわぉわぉ

ねぇ、みなさん・・
コレ!

一番、好きなヤツだよ?!



3名はすでに寝入りばな


うんうん、話はまた後でね


珈琲屋さんですから


そうそう

珈琲を楽しまないと









絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。