ありがとう、さよなら、もしもし

1997年 アメリカを渡る旅  シカゴ→クリーブランド



なんだか6時ごろ目が覚めてしまった
外を見ると晴れている
ヨシヨシと思いベッドに入る

再び起きると
摩天楼がすっぽり雲に覆われていた

げー、寒そうと思いつつ
音を立てて入るヒーターの前で朝ごはん

チェックアウトは12時だけど
博物館へ行こうと思い支度する

このホテルもメイドが入るので
チップをと思ったが$1札がない
フロントでチェックアウトし
両替をしてもらって
わたしの部屋のメイドにチップを、と渡す

朝担当のおじさんはとてもにこやかでいい人
荷物を5時まで預け
外に出る


げー、本当に寒いー
吐く息が白い

ミシガン通りから博物館まではバスが出ている
バス停でしばらく待っていると
いろんなバスが停まって
いろんな人が寒そうに
乗り降りしている
5月だぜ・・

No.146に乗れば一本だ
バスが来て乗り込む

シカゴの中でもいちばん賑やかな
ループと呼ばれる地区を通っていく
グランド公園に入りミシガン湖をかすめ南に向かう
博物館は公園の南にある


フィールド自然史博物館は
とてもい大きな建物で神殿のようだ
その建物に比べるとありんこみたいな入口

入ってすぐのホールは
天井までの吹き抜けになっていて
恐竜の全身の骨格標本!
ゾウも2頭!
うーん、大きい・・
フロアプランを見てるだけで気が遠くなるが
とにかく地道に攻めよう


一番初めに入ったのが鳥のコーナー
小鳥からフラミンゴ、ダチョウもいる
動かないでくれよ~
フクロウってなんでこんな顔してるんだ
しかめっ面を買われての森の見張り役なのか

だんだん動物に移る
グリズリーやバッファロー
大きい、大きい動物まで、いるわいるわ
オランウータンの手の長いこと
足の長さの2倍ある

などと動物コーナーは楽しい
はく製や周辺環境の再現力がすごい
オオカミなんかはホレボレする
夜は怖そうだ


結局、3時間半ほどいたのだが
気に入ったのは石
ダイヤやガーネット、パール、アメジストなんかが
キラキラ光る暗い部屋
うーん、きれい、とひたすら眺める

ほかにもインディアンの住まい
植物の展示があって
いちいち見ていたらキリがなく
なるべくブラブラするようにしたが
ついつい寄って行ってしまう

ランチをここのセルフレストランで済ませて
外に出た

空は晴れ上がっているものの風は冷たく
バッキンガムの噴水も
吹き上げたはいいが風に流され
あの辺一帯は冷たい雨に違いない

やってきたバスに乗り一旦ループに戻って
乗り換えてチャイナタウンに向かう

シカゴのチャイナタウンは
その正面に鳥居のような門があって
そこから3ブロックほどの小さなもので
囲むように
住居や小さいモールのような建物が
あちあちこちに見える

メインストリートには
餅家、レストラン、土産屋が並ぶ
通りに賑わいはなく
観光客、住民で半々という感じ
中国語が聞こえる

ひととおり歩いてから
餅家に入ってパンを3つ買う
ひとつは小豆餡が入ったパイ
パイは甘すぎなくてとっても美味しい
ひとつは程よく甘いスポンジケーキのような
軽くてよい

もうひとつは平凡なパン
平凡なパンってのはまだ食べてないから

やっぱり
アメリカのパン・ケーキ類は重~く甘いので
日本や中国のモノの方が口に合う
チャイナタウンがあるとついつい来てしまうが
たぶん、そのせい

2つ食べるとお腹がいっぱい

地下鉄の駅へ向かう
ここの駅は地上にある

陽が傾いた

いつものスーパーに寄って買出し
ホテルで荷物をピックして
グレイハウンドのディーポにやってきた

これから夜行でクリーブランドへ向かい
なんとか明日中に
ナイアガラに着きたいと思っている

そのあとは・・・
ボストンに行こうかなぁ

もう一個のパンは
小豆餡がどっぷり入ったパンだった



クリーブランドに5時20分に着いた

夜行で通路を挟んだ隣のおじいちゃんは
わたしの顔を見てなにごとか言い出した

よく聞いていると「もしもし」らしい
なるほど右手のしぐさは受話器にも見える
日本語を3つ知っていて
ありがとう、さよなら、もしもし、であった

聞けばおじいちゃんもナイアガラへ行くんだそう

ほんと?
シカゴからナイアガラに行くヤツなんて
わたしくらいだろうと思っていたのに


クリーブランドディーポのinformationで
バッファロー行きを聞くと6時だという
おお!すぐではないか!
と、さっそく並ぶ

・・・のはいいが
6時になっても全然、来ない
するとあのおじいちゃんがやってきた

爺「バッグは?」
私「(列に)並べてあるよ、ところで何時に出るの?」
爺「8時だ」
私「エイト?!」

じいちゃん、マジ?と思いながら
informationに行くと「8o’clock, gate No.10」
(違う人に聞いた)

なんだよもう、ウソつき

と思いつつ
あと2時間あるならと思って
りんごとパンを食べる



クリーブランドからバッファローまでは4時間かかる
バッファローでナイアガラ行きの市バスに乗って1時間
アメリカ側に着く

今日はナイアガラで1泊予定
アメリカ側にするか、カナダ側にするか
まだ決めていない

昼過ぎぐらいに着くのなら
カナダ側に泊まったほうが
夜のイルミネーションを見るのにいいらしい
もしバスに遅れが出て夕方に着くなら
アメリカ側が探しやすい、か

着いてから決めよう

ディーポのレストランはだいたいセルフサービス
コーヒーを入れてレジに行くと人がいない

誰か~と思っていると
さっきまでモップを持って掃除をしていたおばさんが
¢90よ、という

え、アナタが?と思いつつ
$1札を渡すと¢10をくれた
Thank You、という


うーん、なんだかいい感じ

8時、クリーブランドを出発



5月〇日
バス $6.30
昼 $4.10
餅家のパン $7.75
スーパー $2.65
ハガキ $0.27
博物館 $7
合計 $28.07

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こちらは、1997年の旅のお話です
場所や配置、状況などなど
現在とはおお~きく異なりますので
ご了承ください
当時の雰囲気をお楽しみください!
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絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。