摩天楼の摩の字もない

1997年 アメリカを渡る旅  シカゴ


バスは10時前に着いた

途中、タイヤかどこかのアクシデントがあったらしく
乗客には特に何もなかったが
カードにいろいろ書かされた

バスははじめ
郊外の小さなディーポに停まったので
ここ?シカゴ?と不安になった
だってまわりは摩天楼の摩の字もない

何人か降ろし再び出発
少し走ると見えてきた見えてきた、摩天楼
そうそう
そうこなくっちゃ
何本もビル群が近くに迫ってくる

着いたディーポのinformationで
クリーブランド行きのタイムテーブルをもらい
SUBWAY(地下鉄の方)に乗るため歩き出す

うう、周りの環境がホントによくない

頭に叩き込んだ地図を頼りに歩くと
ありました、駅
ホッとして階段を下りる
お金を払いさらに下りる
これぞ地下鉄というような薄汚れた感じ

乗り継ぎも無事すんで
一度、地図で確認してから歩き出す
ロスで千葉の青年に教えてもらった
Tokyo Hotelというところに泊るつもり
一泊$30だが二晩夜行バスだったので
まぁ、いいだろう

それにしても寒い
メチャ寒だ


ホテルはあっけなく見つかり
部屋もとれ、少し寝てから
歩いて7,8分のテラ美術館へ行った

4Fから順に下りていくという順路で
特にこれといって目玉はないが
アメリカ美術を中心に展示されている
ルノワールがあったかな・・
1時間半ほど見学して出てくる

今日はこのまま夕食を買って
フロに入って寝よう
大きなスーパーに向いながら
あちこちフラフラしながら歩いた


シカゴは都会だ
この辺一帯はダウンタウンの北部で
NIKE TOWNというビルがある
ファストフード店、カフェやバーも多い
街のごちゃごちゃ感

昨日、Yさんにシカゴに行くならブルースを
と、言われ、店をチェックすると
ホテルから割と近くにクラブがあるらしい
この辺は歩いても問題なさそうだ

シカゴはチャイナタウンより
南に行かない方がいいらしい


スーパーはさすがに大きかった
嬉しいことにサラダバーがあって
目一杯詰め込む
野菜を食べるのは久しぶりだ
1.8ℓの100%オレンジジュースが¢99
ありがたいことだ
ベーグルも買ってホテルに戻る


部屋がすごく寒かったのを思い出して
フロントに話してみると
ヒーターはホテル全体に入れることになるらしく
普段は入れてないが
今日は寒いので入れると思うと言われる

部屋に戻るとやっぱり寒く
うーんと思いつつ、夕食をとっていると
ヒーターの音がなる
よっしゃー!こい!こい!と思っていると
ボワーンとあったかくなってきた

この部屋は北向きの上に窓に隙間があり
たまらんのだ

湯船に湯をためる
シャワーの毎日だったのでとても嬉しい
あたたかいままベッドに入ると
疲れのせいか
すぐ眠った



カーテンを引くと晴れていた
よかった寒くない
ヒーターも入っている

ベーグルをヒータの上に置いておいて
顔を洗う
アメリカ3大美術館のひとつ
今日はシカゴ美術館へ行く


地図をみると歩いていけそうだったので
歩いてみることにする

朝の通勤で歩いている人たちと同じ速度で歩く
ある人は片手にコーヒー
ある人は片手にパンの包み紙

シカゴ川を越えて、いよいよ中心へ

交通の混雑さがすごくて
バス、地下鉄の何本かが地上を走っていて
鉄骨むき出しの階段を上って地下鉄に乗る
ビルとビルの間に車両が入っていくイメージで
とっても入り組んでいる

それぞれの人がそれぞれの方向へ
向かう、向かう

シカゴに来るとスレンダーな人が多くなった
男性も女性もおしゃれな人が多い
眼鏡なんか見ると一目瞭然
スーパーモデルはスーパーモデルだけでは
ないらしい


シカゴ美術館にやってきた
すでに足が疲れていたので広さを思うと気が重い

とにかく印象派のある2Fへ向かう
上がるとそれはすぐに始まった・・・

ある部屋、総当たりするつもりで廊下に入るが
廊下にまでドガのパステルや
モネのパステル(!!)、セザンヌがあり
気の抜くところがない

ここの有名どころは
ゴッホの『ファンゴッホの寝室』
黄色いベッドと椅子のある室内風景

スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』

ミレーやコロー、印象派はひととおりあった

モネの冬の絵が良かった
真っ白な絵
少し色に変化をつけて雪であることがわかる

シャガールのステンドグラスがあった
青い

ホドラーは
アルプスの絵とセルフポートレイト

アンセルアダムスの写真もあった
相変わらず、完璧なプリント

お!と思った、Emil Nolde
相変わらず悲し気

他にも中世の鎧!素描、浮世絵、
ティファニーの銀食器・・


一通りみて出てきたのは2時
昼もとらずに黙々と歩く
シカゴ商品取引所の
トレーディングの様子を見たいと思っていて
それが3時半には終わってしまうのだ

ビルは簡単に見つかった
ガラス張りの向こうはトレーディングの真っ最中で
黄、赤、青のジャケットを着た200人ぐらいの人々が
手を挙げてサインを送ったり叫んだりしている

手のひらを表にしたり裏にしたり
売り買いのサインになるらしかった

眺めていてもなんだか飽きない

見学者デッキの真下はバルコニーのようになっていて
パソコンと向き合う人とその下のフロアの人が
連絡を取り合うようになっているらしい

ほほうと眺めていると
母娘がやってきてダディがどうのと話している
すると母娘のすぐ下のトレーダーが
いきなり振り向いて子供に手を振っている

あなたたちって親子!なのね

お父さんの働く姿を
こんなにおおっぴらに見られるなんて
いいわねー



ブルースかジャズを聴きに行こうか・・
どうしよう

考えながらバッキンガムの噴水を見に行く
全米で最も美しいのだそうだ
中央から吹き上げる水はなんとなく美しい
でも他にありそうなものだけど

雲行きが怪しくなってきたせいか
噴水も寒々としている

ミシガン湖の方にも行ってみた
水がきれい
スイスの湖の色に近い
エメラルドグリーンだ

天気がよかったらなぁ


今日もかなり歩いた
とにかくホテルの近くまで戻ろうとずんずん歩く
帰宅ラッシュのせいか、人も多い

ホテル近くのジャズクラブが
5時からやっているはずだったので
様子を見てみようと向かう

着いて覗いてみると
客の身なりがこぎれいで若者がいない
敷居が高い
断念


次があるさ、と昨日のスーパーに向かう
またサラダバーで野菜を詰め込ん帰ってくるも
ビールを買うのを忘れてコンビニに寄る

IDを求められ、やっぱし?! と思う
当たり前に25歳なので無事に買え
ホテルに戻る


今日は窓を開けても寒くはない

なにせ窓が汚いので
窓を開けると風景がとってもきれいに見える

日が傾いて夕景も一段ときれいだ
ぼんやりと眺めていたら陽が落ちた

ホテル前の通りは明るく賑やか
今、出て行っても大丈夫だろうな・・
という考えが浮かんだけど
このまま眺めることにする

13階の部屋から見えるシカゴの夜景は
なかなかなものだから


5月〇日
バス $1.80
コンビニ $6.69
ホテル(2泊) $60
スーパー $4.41
美術館 $5
合計 $77.9

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こちらは、1997年の旅のお話です
場所や配置、状況などなど
現在とはおお~きく異なりますので
ご了承ください
当時の雰囲気をお楽しみください!
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絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。