国際通りから人混みを避けて
浮島通りに入る。
細いくねくねを歩いていると
さらに細いくねくねに興味がわいて
ぎゅうぎゅうに詰められた建物や店、
人の間をすり抜ける。
突然、界隈からぽこっと吐き出され、
アーケードで遮られていた太陽が現れる。
急に視界が開けて、まぶしい。
周りをみると見上げるような丘があり、
向うからひっきりなしにバスがやってくる。
いまでこそ地図なしで歩けますが、
那覇に来た当初、この界隈に入ると
なぜか開南バス停のふもとに出てしまい、
よく、ぽかん(どこ?)となったものでした。
中心から少し外れているようなこのバス停に
どんどこどんどこバスがやってくる。
けっして広い通りではないのに
バス専用の信号機があり
2台、3台連なって
まぁまぁの人が乗り降りし、
まぁまぁの人が乗ったまま。
目印となるような施設は見当たらないのに
ちょっとやそっとの場所じゃないオーラ。
開南は
国際通りほど賑わってもいないのに
静かではない。
キー高めのウキウキなざわめきはないが、
ベース音のような生活の振動で
静かではない。
ざっくり百年、区切ってみても
めまぐるしい変化を、凄まじい日々を
経験したこの一帯が静かであるわけがない。
この場所ほど年代によって
印象が変わる場所もないのでは。
さて、
ついこのあいだやってきたわたしにとっては
この姿からスタートとなるのですが
通るたび、ふふっと思うのです。
なんでちょっと、ななめなん?
ななめなのは坂だから!
ということはよくわかるのだけれど
そのななめ具合がですね、
かわいい。
小さい子が小首をかしげる感じで、
なんでそんなかわいい、ななめなん?
開南バス停から東側一帯に向けて
下り坂になっているのですが、
見方を変えると
まわりが低くてバス停付近がまるで岬のよう。
「この辺りは海だった」という表現をよく聞きますが、
むかーしむかしの地図によりますと
やはり現在よりもっと海が近く、
川ももっと幅が広かったようです。
現在バス停がある辺りは昔から高台で、
そこを避けるように
船が通れるほどの広い川が流れていた。
川は次第に土地化していきますが
高低差もあり傾きがある土地となるのですね。
坂になる理由はわかりましたが
かわいいななめの理由が今ひとつわかりません。
これ、わかる日がくるのでしょうか。