露出イチ割未満

睡蓮, 120×165, スケッチブック, 水彩絵具、水性色鉛筆、ペン



先日、関東のラジオを聞いていたら
秋の楽しみは?というテーマでした

秋・・

内地は秋が見えるのか

いましばらく続く猛暑を
秋の楽しみを持って乗り越えよう!
ということらしいですけど
パーソナリティも、来るんですかね?秋!
と言っていました

今年は沖縄よりも
内地が暑い

とはいえ
こちらも暑いことは暑い
そして、長い


秋ってなんだろう


うっかりぼんやりします




この時期の外出は
強い日差しを避けて
ややうつむき加減

たまにキラっ!とするので見てみると
肌の露出の割合か
ウキウキの割合か
白くまぶしい来島された方々


わたしの気持ちの問題ですね


帽子に長袖
露出イチ割未満で歩くわたしの
最近の楽しみといえば
最寄りスーパーに向かう道

ある建物の前に
腰の高さほどもある縦長の甕が
いくつか並んでいるのですが

ひょいとのぞいてみると
光がとおらず
満たされた水は黒く見える

それをバックに
ひゅうっと伸びた茎の先に
パァっと咲く睡蓮の花

薄紫の花びらと
マットな黄色に、頭を赤紫にしたおしべが
なんとも可愛らしいのです
自然界の無垢な発色よ


暗い背景に輝くような花
モネ先生もこんな対比に惹かれたのかな


モネの『睡蓮』
水の揺らぎとそこに浮かぶ花、葉
光と奥行
かがんで水面に近づいたり
体を起こして全景を

あらゆる要素や視点で描いていますが
暗い水面に浮かぶ睡蓮もありまして

深緑から限りなく黒に近い色を使い分けて
水面に浮かぶ葉の影と、水の深さを

混ぜない白、黄、黄緑で
光の反射と花の存在を

静けさの中で花が跳ねるよう


モネも筆を止めたつかの間
睡蓮に癒されたかもしれません


いつだったかの美術展に
来日していた『睡蓮』

水面だけを描いた画面には
空と枝垂れ柳やポプラの木が
ゆらりと映り
その上を横切るように浮かぶ睡蓮の葉

絵のまえに立ち
水面に映る空の色を観ていると
本当にその”空”が頭上にある気がして
ふと頭を上げかけて




絵でした

と、なりましたよ、先生
恐れ入りました




陽が傾くと
すこし夕方感が増してきました

この時間になれば
空を見上げる余裕も
すこしでてきて

そうそう
陽の高さも変わってます
すこし


すこしずつを楽しみに
もうしばらく露出イチ割未満で






絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。