雨を測る

ある雨の日, 水彩



少し前のこと


ある雨の日の夕方

その日は天候が不安定だったので
傘は必須

わたしも折り畳み傘を持参していたので
周り同様、傘をさして歩いていた

ちょうど帰宅時間で人通りも多く
その分だけ開く傘の風景


気持ちうつむいて歩いていると
人と傘の合間からチラチラ見え隠れする
小さな影


周りの人たちと横断歩道で別れたり
追い越したりしていくと
影に追いついた


三名の小学生が
濡れたまま歩いていた


まぁまぁ降ってるけど
急いでいないし、楽しそう


言葉を交わしながら笑ったり
追い越す大人たちを見て、えへへと笑いながら


なんだか懐かしいなぁ

そういう時はあったよね


わたしがそう思うように
他の人たちもそう思うのか

追い越し際に
目を合わせてニヤリとしたり
自分の傘を彼らの方に差し出して笑いあったり



ずいぶん濡れているはずなのに
Tシャツが重そうに見えない



ひとりの子がうつむきながら
片手をあげて雨を測る



雲の切れ間から光が差し込み
まわりが明るくなると

気持ちもちょっと軽くなった








【個展開催のお知らせ】

いつもの風景がいちばんきれいで美しい
おおむらひろみ作品展

◎那覇展
2024. 10. 26 ㈯ ~ 28 ㈪
11:00 ~ 17:30
あおみどりの木
那覇市松尾2-19-10(浮島通り)

◎宮古島展
2024. 12. 12 ㈭ ~ 15 ㈰
11:00 ~ 17:30
BAR&CAFE Pisara
宮古島市西里224 2F

〇入場無料
〇原画、スケッチ画 販売
〇Okinawa Calendar2025 販売

※どちらも作家在廊予定です




絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。