ジヴェルニーはパリから西へ70Km
モネが晩年を過ごした家があり、庭があります
住んでいた当時のまま保存され
公開されているのですが
庭が
庭が
素晴らしくてですね・・
「印象派」という名前を生んだ
モネせんせいの代表作『睡蓮』
輪郭よりも、色や筆を走らせて
まさに見た印象を再現するべくやや誇張気味に
メロウで・・
ほの暗い・・
ユラ、ユラと・・
ですが当時のわたしには
あんまりピンとこなかったのですよ
みている側も
描かれた水面や植物が
現実よりもうっそうと、揺らいだ線や色で
睡蓮を、雰囲気を、受け取る
オランジェリー美術館にいたっては
『睡蓮』を展示するために整備され!
円形の360度『睡蓮』だけ部屋を
ふたっつもつくって!
雰囲気、ハンパないんです!
よく眠れそうなのでお布団、お願いします!
それでも他作品と比べると
ピンとこなかったのですよ
それがですよ
この庭に立つと
『睡蓮』がここにあるのか
ここが『睡蓮』なのか
もう、なんだか
ちょっとわからなくなるくらい
この庭は『睡蓮』なのです
わぁ・・・!
モネが自ら手を掛けた庭なので
そうなる理由も・・・
それにしたって
モネせんせい、すごー!
ついに『睡蓮』への旅が
スタートしたのでした
パリ滞在中は美術館のほか、
在住の日本人画家、作家の個展も訪ねました
その中でもNさん一家には大変お世話になり
フランスのアーティスト事情を聞いたり
アトリエ兼自宅に招いてくれて
久しぶりの日本のカレー!や
ローカル料理をご馳走になりました
あ、『竜馬がゆく』の文庫本も
借りていました
これですね、
メトロでの移動中によく読んでいたのですが
頭ん中はもうすっかり幕末で
竜馬が肩で風切って歩いているわけですよ
で
ふと顔をあげるとそこは
メタリックなメトロの車内、
髪も肌も色とりどりな人々に
異国じゃ、
外国人だらけじゃー!
まてまて
おまえ(わたし)が
外国人じゃー!
毎度陥るプチ混乱が
ちょっと面白かったです
戻しましょうね。
長く異国で画家として、また
日本でも教える立場にもあった
Nさんとのお話は
とても楽しく、刺激的でした
あれは、
芸術に対する価値、取扱い、のようなもの
ヨーロッパと比較して
日本は少し遅れているように感じたことを
Nさんに話していたかと思います
フランスにきてから
自分の作品がしらないうちに
レストランのメニューの挿絵に
使われていたことがあるんだよ
嬉しかった
きっと彼らにとって良いものだったからだ
良いものは広がり届く
だからいろいろあるけど
たいした問題じゃないと思うんだよ
霧を払う大きな言葉が
衝撃と共に、着床したような
ある日、Nさんが
せっかくこちらにいるのだからと
先のジヴェルニーや
このオヴェール・シュル・オワーズにも
連れてきてくれました。
ゴッホが最期の2カ月を過ごした
パリ近郊の小さな村で
絵に残るオーヴェールの教会や
宿泊先のラヴー亭があり
兄フィンセントと弟テオドルスの
ゴッホ兄弟のお墓があります
それぞれの名前が書かれた
墓石が二つ並んで
その一帯をツタの葉が覆い
まるでひとつのお墓のようです
100年も経って
絵をみたいろんな国の人々が
自分の墓までくるなんて!
思ってなかったでしょうね、まったく
良いと思った人が、繋いでひろげて
わたしなんかも来ちゃうんだから
やっぱり、すごいことだと思います・・
ジャポン出身なので
お墓の前では合掌です
こんにちは
はじめまして
日本から来ました
あの、浮世絵の国の者です
あのー、
あなたの黄色が好きで
あなたの絵をみにきました
そんなことを
思ったような気がするけど
いまのわたしが手を合わせても
同じこと、言いそうです