存在を忠実に

がじゅまるⅣ, 345×253, 水彩




描きました、がじゅまる
(また)


今更ですけど
わたしが描く絵は写実ではない、ですね


見たままを忠実に

とは思っていますが

”わたしに見えた”ままを忠実に

が、近いでしょうか



いつも見ている一本のがじゅまる

ある日全体が視界に入り
急にじゃじゃん!と存在がふくらんで
あれあれあれあれ、ステキやん!
と、なりまして

表現したかったのは
なんだろうな

ええと


がじゅまる見た時の

うわーっ!

うわぁ~っっ!

っと

したところ、かな

一色にしたのは、なんでかな
なんか、一色がいいなと思って


ぎゅうぎゅうに密集した葉なんか
一枚、一枚、全部描きたい!

まってまってそれも描きたいけど

おーっきくて、とっても
立派な木なんだよ!


うーん、
自分で描いたものについては
語彙力、急降下



本屋大賞の候補に挙がり
何冊か読んでいる塩野武士さん
それは読まなくちゃと手に取った
小説『存在のすべてを』


人気の写実画家が
過去にあった誘拐事件の
被害男児であることが報道される
当時、担当だった新聞記者が
事件を遡って真相を追う

という、あらすじ

物語が進むにつれ
東京から滋賀、北海道へと渡りながら
それぞれの風景、場面で呼吸をしているよう

重厚な作品で没頭でき
しっかり読めた充実感

そして
この物語を動かすのが写実画です

登場する絵についての表現、
質感、空気
作家の背景、描かれる過程
登場人物が絵を見て心をつかまれる様子!


いやぁ、さすが、作家さん
よくそんな風に書けるなぁ・・・
(感動してる)


写実の世界が丁寧に書かれていて
読みながらその筆先を想像してしまい
大変な時間と技術が注がれていることに
改めて思い至りました


存在を忠実に写しとる、写実画


写真のよう、と、例えられるがままに
そう思っていたけど
またひとつ、新しい世界を知ってしまった感覚
写実画を観る楽しみが増えました




塩野武士著『存在のすべてを』
じみに美術界の闇とか面白かったです
興味あれば、ぜひ!







絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。