その人は「く」の字でした

信号待ち



きっとなにか
考え事をしていたのでしょう

ふと、現実に戻ると目の前に
信号待ちの学生が

なにか話しているような、いないような


そういえば、同じような年頃
友だちと帰る時
話ながらはもちろんだけど
話さない時間もけっこうあった


そんなことを思い出しました


いつものこと過ぎて
話さなくても並んで歩き
わかれる場所で

じゃぁね、ばいばい


あれはけっこう、いい時間だったな



打球待ち



特にひいきのチームはないのですが
気軽にプロの技をみられるので
プロ野球のキャンプは、たまに・・と
言いたいところですが
ここ数年、ご無沙汰でした

いやいや、行ったら行ったで
見ちゃうんだよね、と思い出して
久しぶりに腰を上げて行ってみたところ

やっぱり、けっこう、楽しい

芯をとらえた打撃の音
グローブに叩きつけられるような捕球の音
身体に響いて、球の威力が伝わります

ボールを投げる、打つ、捕る
投げる、打つ、捕る

練習なので当たり前ですけど
一連の動きが繰り返される

みていると
ちょっと瞑想ちっくというか
没頭できるというか
頭がカラになるというか

あれ?何しに来たのかな


それにしても
サードはすごいよね

打球が速いから怖いし
抜けたら長打になっちゃうから止めないと
でも捕球して送球決まると、カッコいい~
さすが構え、低いなー


中学生の時にソフトボール部に所属していまして
圧に弱いけど肩は強いほうだったのに
与えられたポジションはショートで
常にビビりながら
(打球)こっち来るなと思ってました


試合も観に行きたくなってきちゃったな


誰か待ち


その人は「く」の字でした

曲点は高めですが
なかなかわかりやすい「く」の字です


おそらく誰かを待っている

だって
誰かを待たずして改札前でこんなに
「く」の字になるでしょうか


一瞬

次の便の降車を待って
誰が来るのか確かめたい衝動に駆られましたが


わたし、なにやってんのかな

我に返って通りすぎました





春の待ち人3選


おそまつさまでございました


絵を描いて写真を撮り、文章にして、まわりのモノ・コトを描き留めます。