ぶおん、ぶおんと風が鳴っている。
久しぶりに台風らしい、台風です。
台風がくると気温が下がるので
珊瑚はやっと一息つけるかと思いますが、
夏の間に蒸された体が休まるので
わたしもほんと助かります。
感想が中年です。
ともあれ、台風は台風。
大きな被害となりませんように。
さて、数か月前のことです。
毎日のように通り過ぎる道に
太く立派なホウオウボクに
オオタニワタリやら
クワズイモやらが絡みついていて
街路樹全員集合しているエリアがありまして。
この時、雨が降っていたのですが
薄雲の向こうに太陽を感じる、明るい雨でした。
濡れた葉が、光をうけてきらきらしていて。
この光景がずっと脳内に残っていたので
少し前から描き始めました。
こういう風景が、ここにはあります。
水分、湿度はとても大事で、
それらを含む土地、植物、もの、ひとを
うまく描けたら、すごくいいだろうなぁ。
ぽつぽつ思いながらようやく描き終わると
見計らったように台風がやってきました。
強くなりだした風に植物が揺れるのを窓から見ていたら
今さっき描いた絵に風を吹かせたくなりました。
ぶおん、ぶおん!
ぶおん、ぶおん!
これが面白いように手が動く。
雨ときらきらは、描き方、色を変えながら
一週間で10枚くらい描いたのに、
こちらは1枚で、着色含めても1時間程度。
もちろん、事前の10枚分のおかげで
植物が揺れに揺れたんだけど!
こういうことがたまにある。
きらきらも好きだけど、
こちらはこちらでわたしが知っている風景。
これまで大なり小なり台風を経験して、
慣れたつもりではあっても、
風がぶおん!と窓を揺らせば、
やはり怖さを感じるもの。
これもまた、ここにあるもの。